歯ぐき(歯槽)の裂が存在する唇顎裂(口蓋裂はない)、唇顎口蓋裂の場合、歯並びを改善するために歯科矯正を行います。そして、矯正治療を上手く行うために歯槽の裂(顎裂)に骨を移植して閉鎖することが必要です。

正常なヒトの歯は、切歯、側切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯に分類されます。歯槽に裂があると歯の土台が無いことになります。また、顎裂部では、側切歯が欠損している場合もしばしばあります。 

顎裂部に骨移植する事で、顎裂部辺縁の歯牙を保存し、犬歯を顎裂部に誘導することが重要になります。また、鼻の基部に骨を移植することにもなるため、鼻孔底の陥凹の修正にもなります。

顎裂骨移植の手術年齢

歯牙の発育成長には、大きく個人差があります。永久歯が生える時期も、個人差が生じます。
骨移植は、多くの場合、永久歯の犬歯が生えてくる直前が好ましいとされています。9歳〜10歳くらいです。
顎裂の周辺に側切歯があるけれど、周囲の骨が少ない状態は、歯にとって好ましい環境では無いため、早期に骨移植を行う方がよいために、7〜8歳で骨移植を行うこともあります。

なお、矯正歯科と外科医の連携の中で骨移植を行いますが、矯正治療の考え方によっては、さらに早期に骨移植を行う病院もあるようです。

顎裂骨移植手術

採骨:いわゆる腰骨の中から骨をとります。 
正確には、腸骨の内部にある「海綿骨」を使用します。また、他の骨からとる方法もあります。 

腸骨稜に約1-1.5cmの小切開をして、腸骨の海綿骨を採取します。通常、約5-10グラム程度です。 
骨には硬い骨:皮質骨と皮質骨に囲まれて内部にある柔らかい骨「海綿骨」があります。移植するのはこの海綿骨です 。
東北大学歯学部越後先生の論文の画像です。口腔前庭の歯肉を切開、骨膜を含めて持ち上げます。鼻腔と繋がった部分でも、粘膜骨膜を切開します。

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次のイラストは岡山大学からリンクしました。骨欠損に骨が入った状態を示しています。